最近流行の20分文章。

元ネタ http://d.hatena.ne.jp/nakamurabashi/20090926/1253895012

 感覚をトレースする感覚。それから、日常。日常があること。ぼくたちの目の前には日常しかない。どんなことを考えても、何を考えても、目の前にあるのは日常だけだ。「ほら、よくあるじゃない。サブカルぶったオタクの人。ああいう人って何を考えているのだろうね。よくわからない理論を振りかざしてさ。その、きみはさ、ご飯を食べるときに何を考えているの、湯船につかっているとき何を考えているの、自室でオナニーをして、その射精の瞬間に何を考えているの。考えていたの」だなんて……ぼくは、何を考えているのだろう。ご飯を食べて、お風呂に入って、オナニーして。うーん。よくわからないな。
 あはは。
 それだけ。
 それだけなんだ。
 今日は植物園へ行ってきたよ。たくさんの、熱帯の植物たちが居たんだ。とても幅の広い、ヤシ? か何かの仲間の植物が居たんだ。それから、睡蓮。えっと、あと、何だっけ。うーん。とにかくたくさんの植物がいたよ。がらすと、金属でできたドームの中の熱帯植物園なんだ。あぁ、パンの木って初めて見たね。それはそんなに大切だったのだろうか。パンの気に集中するぼくには、目の前の木と、自分しかないのだ。
 ときどき、目前のものを見据える/睨みつけること以外のいっさいの感覚が断ち切られるときがあるよね。
 世界から、自分と、対象以外の一切が消えてしまう。今まで肌を撫でていた風も、光も、空間も、何もかもが崩壊して、ただ広い白い空間の中に自分がいて、少し離れたところに対象がいる。ぼくはそれをじっと見ている。じっと、ただ、集中して。そして、とても凪いだ状態で。神経は張りつめているのだけど、嫌な感じではない。気分は高揚して、だけど、冷たく硬くなってゆく。
 えっと、何を考えていたのだっけ。
 そうだ、何日か前にクラスメイトに気をつけをさせてみたんだ。「はい、ぴしー。気をつけー」みたいな感じでぼくがいったら、彼はその通りにしてくれた。彼は、硬い髪で、痘痕面で、知ったかぶりの男の子なんだ、あぁ、背が高かった。それで、何よりも大切なのは彼のお腹周りなんだ。そのときぼくたちは制服を着ていた。学校だから。掃除の時間で、たしかほうきを持っていたと思う。起立した彼の腰、ワイシャツの裾のあふれた合間にみえる腰の、ベルトが巻かれているはずのところには何もなかった。それで、お腹は少しだけ膨らんでいた。太っている訳じゃないけど、腹回りに肉がついている状態。それがなんともいとおしくて。うーん。彼のことはどちらかといえば好ましく思っていなかったのだけど、そのお腹がとても魅力的だった。彼がセックスするときはどうするのだろうと想像した。彼はロリコンだし、どうしようもないし、そんな機会はいつくるのだろうなと勝手な想像をいました。
 ぼくは映画をとりたいと思っていました。なので、彼を主人公にした映画をとりたいと思いました。
 最近のぼくは「生活」「生活のこと」という言葉を気にしています。ぼくたちの目の前には世界があります生活があります。メタなんてものは存在しません。そんなものはただの想像です。とにかく生活がある。ぼくはテーブルにつき、ご飯を食べる。今日はトンカツだ。嬉しいな。ソースをかけよう。手を伸ばすその先にはブルドッグ中濃ソース。とてもおいしい。どうでもいいけどぼくはソースが好きです。調味料っていうのかわからないけど、調味料の中では一番好きです。
 話題を元に戻すと、映画をとりたくて、生活のことという言葉が気になっていた。なので、彼の仮想の生活を撮ることにした。
 彼は、鬱屈の中にいる大学生だ。厭世的で、部屋にこもっている。同居人がいて、(たしか彼は170項半程度の身長だったはずだ)そっちの彼も男で、背は小さい(149センチくらいだ)。その、同居人の男候補もクラスメイトだtwitterのidは@rtsan。面白い人です。今度彼とゲームを作ることになりました。ADV+ローグライクなゲームです。女の子を育成してダンジョンに潜らせる的な。絵を欠ける人を募集しています。
 主人公の男はゲイです。同居人はノンケです。でも、同居しています。そこに女が現れます。彼女は悪女です。主人公のゲイを誘惑して、ノンケと引き離します。彼は彼女と同棲するようになりますが、3ヶ月くらいで別れます。
 最後に彼に残ったものは何だったのでしょう。愛していた同居人の男も、女も失い。暗い部屋に一人で残るだけになりました。彼の目の前には三ヶ月前と以前変わらない世界があり、生活のことがあります。どんなことがあっても眠くなり、ベッドに入り毛布を抱けば寝てしまいます。ぐーすかぴー。それは幸せなことかどうだろうか。感情をどぶに捨てているだけではないのか。
 そうだ。悲しいことがあってtwitterに悲しいってpostをするとその悲しいって感情は流れてどこかへいってしまう。自分は精神のそこから悲しむことができずに、ただなんとなく、ぼんやりとした感情を残してそのことに区切りを付けてしまうのだ。とてもふわふわしていて、生活と世界のことに真剣じゃない。そんなのは最悪だ。自分は感情に背きたくないのだ。それは本当に大切なのか考えないといけない。ぼくは幸せか。